
高額療養費制度(入院費用をシミュレーションする-その1)
今回は高額療養費制度のご説明も兼ねながら、実際に入院した場合の医療費の自己負担金額をシミュレーションしてまいりましょう。
入院といっても病気やケガなど、その原因によって大きく左右されるのが医療費です。 そこで今回は肺がんで入院したと仮定して、シミュレーションしてまいりましょう!
まず、厚生労働省の「社会医療診療行為別調査」(平成22年6月審査分)によると、気管,気管支及び肺の悪性新生物で入院した際、 一般医療における入院1日あたりの医療費は44,888円(診療報酬4488.8点×10円)であることが分かりました。 さらに厚生労働省の「患者調査」(平成20年9月調査)を調べると、気管,気管支及び肺の悪性新生物で入院なさった方の平均入院日数が27.2日であることも分かりました。 例えば、上記の数字を基に入院時における医療費の総額を計算すると、44,888円×27.2日=1,220,954円となります。※計算結果はすべて小数点以下を四捨五入することにいたします。
それでは実際に入院に掛かる医療費の自己負担を計算しましょう。
自己負担の割合を3割とすると、自己負担額は医療費総額1,220,954円×0.3=366,286円となります。
この他に病院窓口で支払うものとしては、食費(1日あたり780円)、差額ベッド代などがあげられます。 今回は差額ベッド代が掛からない入院をしたと仮定すれば、1日あたりの食費780円×肺がんで入院する27.2日分=21,216円が加算されますので、 窓口で支払う入院費総額は366,286円+21,216円=387,502円になります。
次に高額療養費制度により還付される金額を調べてみましょう!
高額療養費制度とは、医療費の1ヵ月分の自己負担額が一定額を超えた場合は、超過分を払い戻してもらえる制度です。 この制度における自己負担の限度額は、年齢や収入によって異なりますので、今回は70歳未満、標準報酬月額が53万円未満として仮定します。 この条件の場合には、自己負担限度額は80,100円に、医療費総額のうち267,000円を超えた部分の1%を加えた金額が限度額となります。※その他区分につきましては、厚生労働省の「高額療養費制度を利用される皆さまへ」のページ等をご参照下さい。
では、実際に算出する前に、注意点を1点。高額療養費制度は月初から月末までの1ヵ月を一区切りで計算いたします。ですから、肺がんで27.2日間入院した場合も、それが月内のいつからの入院かによって変わってまいります。入院期間を27日と仮定し、入院を6月1日とすると、1日から27日までの27日間になります。同じく6月16日に入院したと仮定すれば、16日から30日までの15日間、さらに7月1日から12日までの12日間に分けて計算することになります。今回は6月16日に入院したと仮定して、具体的に高額療養費によって払い戻される金額を計算してみましょう!
以下、次号にて。
AFP215-2012-0005 3月12日
「高額療養費制度」へ続く
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