退職慰労金について
まず退職慰労金を受け取る際には以下の案件を全て具備した場合に限って税法上の損金算入が認められております。
| (イ) | 実際に退職した事実に基づいて支給されていること。 <(分掌変更または改選による再任等現実に退職しない場合も含む (法人税基本通達9-2-23)> |
| (ロ) | 株主総会等の決議等によってその額が具体的に確定した日の属する事業年度に損金算入していること。 (法人税基本通達9-2-18) |
| (ハ) | 確定決算において費用または損失として経理(損金処理)されていること。 (法人税基本通達9-2-20) |
| (ニ) | 適正額であること。 (法人税法36条) |
(※)商法では、役員の報酬は定款をもってその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める(商法269条)こととしており、その議事について議事録を作っておかなければならない(商法244条)ことになっています。役員の退職慰労金も一種の役員報酬と考えられておりますので、この手続きが必要です。
ではこうした手続きを具備した上、退職慰労金を受け取ったときの課税はどうなるか?
退職金は勤続年数によって控除される金額が異なります。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
| 20年以下 | 40万円×勤続年数(最低80万円) |
| 20年超 | 70万円×(勤続年数−20年)+800万円 |
こちらの経営者の方は30年以上、経営者として辣腕を振るってまいりましたので、1500万円までの退職金は所得税も住民税も掛かりません。
ですから解約払戻金の12,975,423円には課税されません。
ではそれ以上の退職慰労金を受け取ったときの税と税率が以下の表です。
| 退職金の税金 30年在位 退職所得控除1500万円 | ||||
| 退職金 | 所得税 | 住民税 | 合計 | 税率 |
| 3000万円 | 1,170,000 | 598,500 | 1,768,500 | 5.90% |
| 5000万円 | 4,020,000 | 1,768,500 | 5,788,500 | 11.58% |
| 7000万円 | 7,685,000 | 2,938,500 | 10,623,500 | 15.18% |
| 1億円 | 13,235,000 | 4,693,500 | 17,928,500 | 17.93% |
| 1億5000万円 | 22,485,000 | 7,618,500 | 30,103,500 | 20.07% |
| 2億円 | 31,735,000 | 10,543,500 | 42,278,500 | 21.14% |
こうして退職慰労金の税率を見ますと、2億円で21.14%です。
以下は退職慰労金を除く個人所得に対し課税される、所得税及び住民税を一つの表にまとめてみたものです。
| 所得税及び住民税の合計 | |
| 課税所得 | 税率 |
| 2000千円以下 | 15% |
| 2000千円超〜3,299千円以下 | 20% |
| 3,299千円超〜7,000千円以下 | 30% |
| 7,000千円超〜8,999千円 | 33% |
| 9,000千円〜18,000千円以下 | 43% |
| 18,000千円超 | 50% |
※所得税の基礎控除額の記載は省略しています。
1,800万円を超える所得に50%の税率が掛かることと比べてみると、いかに退職慰労金が税制上優遇されているかご理解いただけたかと存じます。
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